降り懸かる不幸と振りまく不幸。人生には、絶望しかない。

大学生のかもめは、幼いころに両親を亡くし、叔父叔母の家で暮らしていた。
姉の莉子は社会人で一人暮らし中。まもなく結婚を控えている。
かもめと莉子は叔父叔母から長い間虐待を受けていた。莉子が家を出た今、かもめは一人理不尽な思いをし続けており、姉のことが大好きなのは間違いないがどこか恨めしい思いもあった。
ある日、2人は久しぶりに会い、近況を語り合う。辛い思いをしていると訴えるかもめに、莉子は「必ず迎えに行く」と伝える。しかし、その夜別れた後から莉子と連絡がとれなくなった。
自分は捨てられたのか、それとも姉は事件に巻き込まれたのか……。不安になるかもめに救いの手を差し伸べるのは幼馴染の奏多と同級生のカナミ。2人に支えられながら、かもめは姉を探すために奔走するが……？